毎日食べるハムやソーセージは大丈夫?知っておきたい「亜硝酸ナトリウム」の真実

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クレオ君

なんかね、ハムとかソーセージに使われている『亜硝酸ナトリウム』っていうのが、発がん性のある物質に変わる可能性があるとか…ネットで見たんだけど、本当かな?

クレッシュくん

発がん性!? それって本当なら、結構ヤバい話だよね?子どもが大好きなソーセージにも含まれているよ。よし、どうすればいいか、正しく理解していこう!

毎日の食卓に欠かせないハムやソーセージ。あの食欲をそそる鮮やかなピンク色は、実は「亜硝酸ナトリウム」という食品添加物によるものです。知らない間に口にしているかもしれないこの物質が、私たちの体にどのような影響を及ぼすのか、そして健康を守るためにどうすれば良いのか、公的機関の情報を基に分かりやすく解説します。

亜硝酸ナトリウムって何?知っておきたい役割と隠れたリスク

亜硝酸ナトリウムは、主に食肉製品で使われる添加物です。その主な役割は以下の3つ。

  • ボツリヌス菌の抑制
    食中毒の原因となるボツリヌス菌の増殖を抑え、食品の安全性を高めます。
  • 発色作用
    ハムやソーセージに美しいピンク色を与え、見た目を良くします。
  • 風味の向上
    食肉製品の風味を豊かにします。

しかし、これらの「メリット」の裏には、私たちの健康にとって決して軽視できないリスクが潜んでいます

【要注意】発がん性や命の危険も?亜硝酸ナトリウムの恐ろしい影響

亜硝酸ナトリウムが健康に与える影響は、大きく分けて2つあります。

1. 発がん性物質「ニトロソアミン」の生成

世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は、亜硝酸塩または硝酸塩が生体内でニトロソ化される条件下で、「ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2A)」に分類しています。これは、レッドミートや非常に熱い飲み物などと同じカテゴリーです。

なぜ危険なのでしょうか?その理由は、亜硝酸ナトリウムが体内で「ニトロソアミン」という強力な発がん性物質に変化する可能性があるためです。特に以下の条件下では、ニトロソアミンの生成が促進されることが科学的に示されています。

  • 高温での加熱
    ハムやソーセージを焼いたり炒めたりする調理法は、この危険な化学反応を促進します。
  • タンパク質との同時摂取
    肉製品に多く含まれるタンパク質と結合することで、ニトロソアミンの生成を助けてしまうことがあります。

参照:
食品安全委員会作成 ファクトシート(PDF)
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部(食品中の硝酸塩/亜硝酸塩について)(PDF)

2. 酸素欠乏を引き起こす「メトヘモグロビン血症」

亜硝酸ナトリウムは、血液中のヘモグロビンと結合し、酸素を運ぶ能力が低い「メトヘモグロビン」という物質に変化させることがあります。体内でメトヘモグロビンが大量に生成されると、深刻な酸素欠乏状態に陥ります最悪の場合、意識障害や呼吸困難を引き起こし、命に関わる可能性すらあります

特に、乳幼児はメトヘモグロビンを還元する酵素の働きが未熟なため、より高いリスクに晒されます。厚生労働省も、乳幼児の硝酸塩・亜硝酸塩の摂取に関する注意喚起を行っています。

参照:厚生労働省 食事と生活習慣病
※直接的な亜硝酸ナトリウムに関するリンクではありませんが、食品添加物や食の安全に関する情報が集約されています

過度な心配は不要?知っておきたい「誤解されやすい点」

ここまで亜硝酸ナトリウムのリスクについて解説しましたが、一方で誤解してはいけない点もあります。

  • 「直ちに危険」というわけではない
    食品添加物として使用される亜硝酸ナトリウムは、国が定める厳格な使用基準に基づいています。そのため、一般的な摂取量であれば、直ちに健康被害が出るという科学的知見は得られていません。
  • 野菜にも含まれる
    実は、ほうれん草やレタスなどの野菜にも天然の硝酸塩が含まれており、これが体内で亜硝酸塩に変化することもあります。加工食品からの摂取量よりも、生鮮食品からの硝酸塩・亜硝酸塩の摂取量の方が多いという報告もあります。
  • 製造過程でのニトロソアミン
    加工肉の製造過程でニトロソアミンが大量に発生することはないとされています。体内でニトロソアミンが生成されるのは、主に胃の酸性条件下で、亜硝酸とアミンが反応することによるものです。

結論として、亜硝酸ナトリウムは潜在的なリスクを持つ物質ですが、法律で定められた範囲で適切に使用されている限り、過度に恐れる必要はありません。

意外と身近?亜硝酸ナトリウムが含まれる食品リスト

亜硝酸ナトリウムは、私たちの食卓によく登場する以下の食品に広く使われています。

  • ハム
  • ソーセージ
  • ベーコン
  • 明太子
  • 一部の魚肉ソーセージ
  • 一部の漬物

これらの食品を口にする際は、裏に潜む危険性を認識し、摂取量に注意しましょう。そして、可能であれば「無添加」の製品を選ぶことをおすすめします。

あなたと家族の健康を守る!亜硝酸ナトリウムのリスクを減らす対策

完全に亜硝酸ナトリウムを避けることは難しいかもしれませんが、その危険性を理解し、賢い選択をすることで、リスクを最小限に抑えることは可能です。

  • 摂取量を意識的に減らす
    亜硝酸ナトリウムを含む食品の摂取頻度や量を、今日から意識的に減らしましょう。
  • ビタミンCを積極的に摂る
    ビタミンCには、体内で生成されるニトロソアミンの生成を抑制する効果が期待できます。ハムやソーセージと一緒に、レモン、ブロッコリー、パプリカなどのビタミンCが豊富な野菜や果物を積極的に摂りましょう。
  • 「無添加」表示を確認する
    亜硝酸ナトリウムから身を守る最も確実な方法は、食品表示をよく確認し、無添加のハムやソーセージ、明太子などを選ぶことです。

まとめ

見えない危険と賢く付き合い、健康的な食生活を

亜硝酸ナトリウムは、私たちの食生活に深く入り込んでいる「見えない危険」かもしれません。しかし、その危険性を正しく認識し、賢い選択と適切な対策を講じることで、あなた自身と大切な家族の健康を守ることができます。私たちは、危険な添加物から身を守る権利を持っています。あなたの周囲にも広め、一人でも多くの人が健康的な選択をするきっかけになれば幸いです。