健康診断結果、これで完璧?各項目の意味と基準値・対策を徹底解説!
また今年も健康診断があるんだけど、毎回特に問題は無いから気にしてないんだけど、
そもそも健康診断の結果ってどうやって見たら良いんだろう?
実は、企業は、従業員の健康を守るために、定期的な健康診断を実施する義務があるんだよ。(労働安全衛生法)
それでは、詳しくみていこう。
はじめに
健康診断とは何でしょうか?目的、メリットは?
本記事では健康診断の目的や健康診断結果の確認方法など、基準値とともにわかりやすくご紹介します。
是非、健康診断の結果を確認しながら本記事をご確認ください。
読み終わる頃には健康診断について理解が深まっているはずです。
健康診断とは?
病気の早期発見や予防のために、定期的に身体の検査を行うことです。医師による問診や身体診察に加え、血液検査、尿検査、レントゲン検査などの各種検査を行い、体の状態をチェックします。
健康診断は労働安全衛生法第66条において、企業は従業員に対して、定期的に健康診断を実施する義務が定められています。
- 実施頻度: 原則として、1年以内ごとに1回
- 対象者: 全ての労働者(正社員、契約社員、パート、アルバイトなど)
- 費用負担: 企業が負担
詳細については、厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。
参考資料:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署:労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~
※労働者の雇い入れ時期や特定業務従事者、または医師の判断などにより健康診断の内容や時期、回数が異なります。
健康診断の目的
病気の早期発見や早期治療はもちろん、病気そのものを予防することを目的に行われています。自分では自覚できない症状や忍び寄る病気を見逃さないためにも、定期的な受診が必要です。
企業にとっては、健康診断は、従業員の健康状態を把握し、病気の早期発見・予防、健康増進を図ることを目的としています。また、従業員の健康管理を行うことで、労働災害の防止や生産性の向上にもつながります。
なお、企業が健康診断を実施しない場合、または従業員が健康診断を受診しない場合は、罰則が科せられる可能性があります。
健康診断を受ける3つのメリット
病気の早期発見と予防
- メリット1 自覚症状のない病気の発見
多くの病気は、初期段階では自覚症状がありません。定期的な健康診断によって、自覚症状が出る前に病気の兆候を見つけ出し、早期治療につなげることができます。 - メリット2 生活習慣病の予防
生活習慣病(高血圧、糖尿病など)は、初期段階では自覚症状が現れにくいため、定期的な検査で早期発見し、生活習慣の改善を促すことで予防に繋がります。 - メリット3 がんの早期発見
がんは早期発見・早期治療が重要です。定期的な検診でがんを発見できれば、治癒率も高くなります。
健康診断を毎年受ける理由について
健康状態の把握と維持
- 経年変化の確認
毎年検査を受けることで、自身の健康状態の経年変化を把握できます。 - 健康意識の向上
健康診断の結果を基に、自身の生活習慣を見直し、改善することで、健康意識を高めることができます。
その他
- 医療費削減
病気の早期発見・早期治療は、医療費の削減にもつながります。
健康診断の検査種類と内容
健康診断には、さまざまな検査項目があります。
定期健康診断を例にその検査項目を以下に紹介します。
検査1. 既往歴及び業務歴の調査
健康状態や過去の業務経験を把握するために実施します。
方法は事前の問診票や、対面による問診や面接を通して調査を行います。
具体的な調査内容は過去の病気やケガ、治療中の病気、アレルギー、健康状態に対する不安などの既往歴と、過去の職種、業務内容、業務環境などの業務歴を調査します。
検査2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
自覚している症状や、他人が観察できる症状について調査を行います。
方法は事前の問診票や、対面による問診または身体検査などによって行います。
調査の内容は、年齢や性別、過去の病気やケガ、現在の健康状態などによって異なりますが、一般的には、「体調に異変はないか?」などの質問や診察によって行われます。
検査3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
健康診断受診者の身体的条件を把握するために実施します。
身長 | 体格のバランスを評価します |
体重 | 体格のバランス、肥満などの生活習慣病のリスク、筋力や体力などを推定します。 |
腹囲 | 肥満などの生活習慣病のリスク、内臓脂肪の量、体格のバランスを評価します。 |
視力 | 作業に必要な視力、眼の健康状態、事故のリスクを評価します。 |
聴力 | 作業に必要な聴力、耳の健康状態、事故のリスクを評価します。 |
またこれらの検査から、BMI(Body Mass Index)と呼ばれる体格指数を算出することで、肥満度を評価する指標を出すことができます。
検査4. 胸部エックス線検査及び喀痰かくたん検査
胸部エックス線検査
胸部エックス線検査は、主に肺がん、結核、肺炎などの呼吸器疾患の発見を目的として行われます。
X線を利用して肺や心臓、気管支などの状態を画像として映し出す検査です。
胸部エックス線検査は主に以下3点の症状の発見を目的としています。
1. 肺がん、結核、肺炎などの呼吸器疾患の早期発見
2. 肺や心臓の大きさ、形、位置の異常の発見
3. その他の胸部疾患(気胸、胸水など)の発見
喀痰検査
喀痰検査は、痰(たん)に含まれる細胞や細菌などを調べる検査です。健康診断では、主に肺がんや結核などの呼吸器感染症の発見を目的として行われます。
喀痰検査は、主に以下2点の症状の発見を目的としています。
1. 肺がん、結核などの呼吸器感染症の早期発見
2. 喀痰中の細菌の種類や量を調べることで、適切な治療法の選択に役立てることを目的としています。
胸部エックス線検査は、健康診断の基本的な検査項目として、多くの場合、全受診者が対象となります。喀痰検査は、40歳以上の方、または喫煙歴が長い方などを対象に実施されることが多いです。
ただし、検査対象者は、職種や年齢、既往歴などによって異なる場合がありますので、所属する企業や健康保険組合の規定を確認してください。
検査5. 血圧の測定
血圧測定は、心臓が血液を送り出すときの圧力(収縮期血圧)と、心臓が拡張して血液を受け入れるときの圧力(拡張期血圧)を測る検査です。高血圧や低血圧の発見、心臓や血管の病気のリスク評価を目的として行われます。
検査の目的は主に3点です。
1. 高血圧、低血圧の発見
2. 心臓病、脳卒中、腎臓病などのリスク評価
3. その他の循環器疾患の発見の手がかり
高血圧とは?
高血圧は、血管の中を流れる血液の圧力(血圧)が、正常よりも高い状態が続くことです。例えるなら、ホースの水圧が強すぎるようなイメージです。高い圧力で流れ続ける血液は、血管を傷つけたり、詰まらせたりする原因になります。
高血圧が引き起こす問題
- 心臓病:心臓に負担がかかり、働きが悪くなる
- 脳卒中:脳の血管が破れたり、詰まったりする
- 腎臓病:腎臓の血管が傷つき、機能が低下する
低血圧とは?
低血圧は、血管の中を流れる血液の圧力(血圧)が、正常よりも低い状態のことです。ホースの水圧が弱すぎるようなイメージです。
低血圧が引き起こす問題
- めまい
- 立ちくらみ
- 疲れやすい
- 集中力の低下
血圧の基準値は?
区分 | 収縮期血圧(mmHg) | 拡張期血圧(mmHg) |
---|---|---|
正常血圧 | 120未満 | 80未満 |
正常高値血圧 | 120~129 | 80未満 |
高血圧(I度) | 130~139 | 80~89 |
高血圧(II度) | 140以上 | ー |
検査6. 貧血検査
貧血検査は、貧血の種類や原因を診断するために行われる検査です。貧血は、赤血球やヘモグロビンが不足することで、体内の酸素が十分に運搬されず、さまざまな症状が現れる病気です。主な症状としては、倦怠感、息切れ、めまい、顔面蒼白などがあります。主な検査項目は以下の通りです。
ヘモグロビン濃度検査 | 採血を行い、血液中のヘモグロビン濃度を測定します。 ヘモグロビンは、赤血球中に含まれるタンパク質で、酸素を運搬する役割を担っています。ヘモグロビン濃度が低いと、貧血の可能性があります。 ・基準値は、男性が13.5~17.5g/dL、女性が12.0~15.0g/dLです。 |
ヘマトクリット検査 | 採血を行い、血液中の赤血球の割合であるヘマトクリットを測定します。 ヘマトクリットが低いと、貧血の可能性があります。 ・基準値は、男性が40~50%、女性が35~45%です。 |
MCV(平均赤血球容積)検査 | 採血を行い、赤血球1個あたりの平均的な大きさを測定します。 MCVが大きいと、巨赤球性貧血、小さいと小赤球性貧血の可能性があります。 ・基準値は80~100fLです。 |
MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)検査 | 採血を行い、赤血球1個あたりの平均的なヘモグロビン量を測定します。 MCHが低いと、小赤球性貧血の可能性があります。 ・基準値は27~33pgです。 |
MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)検査 | 採血を行い、赤血球1個あたりの平均的なヘモグロビン濃度を測定します。 MCHCが低いと、小赤球性貧血の可能性があります。 ・基準値は32~36g/dLです。 |
網状赤血球検査 | 採血を行い、血液中の網状赤血球の割合を測定します。 網状赤血球は、赤血球の若い細胞です。網状赤血球の割合が多いと、骨髄で赤血球が活発に作られていることを示し、貧血の治療効果が期待できます。 ・基準値は1~6%です。 |
血清鉄検査 | 採血を行い、血液中の鉄分の量を測定します。 鉄分は、ヘモグロビンの構成成分です。血清鉄が低いと、鉄欠乏性貧血の可能性があります。 ・基準値は50~150μg/dLです。 |
TIBC(総鉄結合能)検査 | 採血を行い、血液中の鉄分を結合できるタンパク質であるトランスフェリンの量を測定します。 TIBCが高いと、鉄欠乏性貧血の可能性があります。 ・基準値は250~370μg/dLです。 |
フェリチン検査 | 採血を行い、血液中のフェリチンの量を測定します。 フェリチンは、肝臓や脾臓などに貯蔵されている鉄分です。フェリチンが低いと、鉄欠乏性貧血の可能性があります。 ・基準値は、男性が15~200ng/mL、女性が10~120ng/mLです。 |
その他検査 | その他の検査では、ビタミンB12欠乏性貧血の診断を行うビタミンB12検査や、葉酸欠乏性貧血の診断を行う葉酸検査、重症の貧血や原因不明の貧血の診断を行う骨髄検査などがあります。 |
検査7. 肝機能検査
肝機能検査は、肝臓の機能が正常かどうかを調べる検査です。肝臓は、解毒、栄養素の貯蔵、胆汁の分泌など、体にとって重要な役割を果たす臓器です。
主な検査項目は以下の通りです。
GOT(アスパラテアミノトランスフェラーゼ)検査 | 採血を行い、血液中のGOTの活性を測定します。 GOTは、肝細胞に多く含まれる酵素です。肝細胞が損傷を受けると、血液中にGOTが漏れ出てきます。GOT値が高いと、肝炎、肝硬変、肝がんなどの肝臓の病気が疑われます。 ・基準値は、男性が10~40U/L、女性が7~30U/Lです。 |
GPT(グルタミン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ)検査 | 採血を行い、血液中のGPTの活性を測定します。 GPTは、肝細胞や胆管細胞に多く含まれる酵素です。GOTと同様に、肝細胞が損傷を受けると、血液中にGPTが漏れ出てきます。GPT値が高いと、肝炎、肝硬変、肝がんなどの肝臓の病気が**疑われます。 ・基準値は、男性が10~40U/L、女性が7~30U/Lです。 |
γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)検査 | 採血を行い、血液中のγ-GTPの活性を測定します。 γ-GTPは、肝臓、胆管、膵臓などに多く含まれる酵素です。アルコール性肝炎、胆管炎、膵炎などの病気でγ-GTP値が高くなります。また、飲酒過量でもγ-GTP値が高くなります。 ・基準値は、男性が10~50U/L、女性が7~35U/Lです。 |
ALP(アルカリフォスファターゼ)検査 | 採血を行い、血液中のALPの活性を測定します。 ALPは、骨、肝臓、胆管などに多く含まれる酵素です。胆管結石、骨疾患、肝臓の病気などでALP値が高くなります。 ・基準値は、男性が40~130U/L、女性が30~110U/Lです。 |
LDH(乳酸脱水素酵素)検査 | 採血を行い、血液中のLDHの活性を測定します。 LDHは、肝臓、心筋、骨格筋などに多く含まれる酵素です。肝炎、心筋梗塞、筋ジストロフィーなどの病気でLDH値が高くなります。 ・基準値は、男性が120~220U/L、女性が100~180U/Lです。 |
総ビリルビン検査 | 採血を行い、血液中の総ビリルビンの量を測定します。 ビリルビンは、赤血球が分解されて生成される色素です。総ビリルビンは、肝臓で処理されて胆汁中に排泄されます。総ビリルビン値が高いと、黄疸が疑われます。黄疸は、皮膚や白目が黄色くなる症状です。肝炎、胆管結石、膵臓がんなどの病気で黄疸が現れます。 ・基準値は0.2~1.2mg/dLです。 |
直接ビリルビン検査 | 採血を行い、血液中の直接ビリルビンの量を測定します。 直接ビリルビンは、肝臓で処理されたビリルビンです。直接ビリルビン値が高いと、胆管の閉塞などが疑われます。 ・基準値は0.03~0.4mg/dLです。 |
間接ビリルビン検査 | 総ビリルビン値と直接ビリルビン値から、間接ビリルビン値を算出します。 間接ビリルビンは、肝臓で処理されていないビリルビンです。間接ビリルビン値が高いと、肝炎などが疑われます。 ・基準値は0.17~0.77mg/dLです。 |
その他の検査 | その他の肝機能検査として、肝臓のタンパク質合成機能を評価するアルブミン検査や、肝臓のビタミンK合成機能を評価する凝固時間検査、肝臓の解毒機能を評価するアンモニア検査などがあります。 |
検査8. 血中脂質検査
血中脂質検査は、血液中の脂質の量や種類を測定する検査です。脂質は、コレステロールや中性脂肪などがあり、エネルギー源や細胞膜の構成成分として重要な役割を果たします。しかし、脂質が過剰になると、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病のリスクが高くなります。
血中脂質検査の主な検査項目は以下の通りです。
総コレステロール検査 | 採血を行い、血液中の総コレステロールの量を測定します。 総コレステロールは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)の合計です。総コレステロール値が高いと、動脈硬化のリスクが高くなります。 ・基準値は160mg/dL未満です。 |
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)検査 | 採血を行い、血液中のLDLコレステロールの量を測定します。 LDLコレステロールは、血管に蓄積しやすく、動脈硬化の原因となるコレステロールです。LDLコレステロール値が高いと、動脈硬化のリスクが高くなります。 ・基準値は130mg/dL未満です。 |
HDLコレステロール(善玉コレステロール)検査 | 採血を行い、血液中のHDLコレステロールの量を測定します。 HDLコレステロールは、血管から余分なコレステロールを回収し、肝臓へ運ぶコレステロールです。HDLコレステロール値が高いほど、動脈硬化のリスクが低くなります。 ・基準値は40mg/dL以上です。 |
中性脂肪検査 | 採血を行い、血液中の中性脂肪の量を測定します。 中性脂肪は、エネルギー源として重要な役割を果たしますが、過剰になると肝臓に蓄積し、脂肪肝の原因となります。また、中性脂肪が多いと、動脈硬化のリスクも高くなります。 ・基準値は150mg/dL未満です。 |
血中脂質検査の結果は、生活習慣や体質などを考慮して総合的に判断する必要があります。脂質値が高い場合は、医師の指導のもと、生活習慣の改善や薬物療法などによって脂質値を正常な範囲に下げることが重要です。
血中脂質検査の結果は、生活習慣や体質などを考慮して総合的に判断する必要があります。脂質値が高い場合は、医師の指導のもと、生活習慣の改善や薬物療法などによって脂質値を正常な範囲に下げることが重要です。
検査9. 血糖検査
血糖検査は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を測定する検査です。ブドウ糖は、体のエネルギー源として重要な役割を果たしますが、血糖濃度が高すぎると、糖尿病などの病気のリスクが高くなります。
血糖検査の主な種類は以下の通りです。
空腹時血糖検査 | 採血を行い、朝食を食べる前の血液中の血糖濃度を測定します。 空腹時血糖検査は、肝臓に蓄積されたブドウ糖がどれくらい放出されているかを知ることができます。空腹時血糖値が高いと、糖尿病などの病気が疑われます。 ・基準値は100mg/dL未満です。 |
食後2時間血糖検査 | ブドウ糖の入った飲み物を摂取し、2時間後に採血を行い、血液中の血糖濃度を測定します。 食後2時間血糖検査は、食事の後、体がブドウ糖をどれくらい処理できているかを知ることができます。食後2時間血糖値が高いと、糖尿病などの病気が疑われます。 ・基準値は140mg/dL未満です。 |
HbA1c検査 | 採血を行い、赤血球中のヘモグロビンに結合したブドウ糖の割合を測定します。HbA1c検査は、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖コントロールの状態を知ることができます。HbA1c値が高いと、糖尿病などの病気が疑われます。 ・基準値は6.5%未満です。 |
血糖検査は、糖尿病の診断や治療効果の判定などに用いられます。糖尿病は、血糖濃度が高い状態が長期間続く病気です。糖尿病は、放置すると、網膜症、腎症、神経症などの合併症を引き起こす可能性があります。血糖検査の結果が高い場合は、医師の指導のもと、生活習慣の改善や薬物療法などによって血糖値を正常な範囲に下げることが重要です。
検査10. 尿検査
尿検査は、尿を調べることで、体の健康状態を知る検査です。尿中には、腎臓でろ過された老廃物や水、電解質などが含まれています。尿検査では、尿の色や濁り**、臭いなどを観察するほか、尿比重、pH、糖、タンパク質、ケトン体、潜血、白血球、赤血球などを測定します。
尿検査は、腎臓、膀胱、前立腺などの泌尿器の病気の診断や治療効果の判定などに用いられます。また、糖尿病や肝臓の病気、妊娠などの病気のスクリーニングにも用いられます。
尿検査の主な項目は以下の通りです。
尿比重 | 尿比重計を用いて、尿の比重を測定します。 尿比重は、尿中にどれくらいの老廃物が含まれているかを知る指標です。尿比重が高いと、脱水症状などが疑われます。また、尿比重が低いと、腎臓の機能が低下している可能性があります。 |
pH | pH試験紙を用いて、尿のpHを測定します。 pHは、尿の酸性度やアルカリ性度を示す指標です。pHが低いと、酸性尿となり、尿路結石などが疑われます。また、pHが高いと、アルカリ性尿となり、尿路感染症などが疑われます。 |
糖 | 尿に含まれる糖の量を測定します。主な測定方法としては、ジアステーゼ法や還元糖測定法などがあります。 尿中に糖が含まれている場合は、糖尿病などの病気が疑われます。糖尿病は、血糖値が高い状態が長期間続く病気です。糖尿病は、放置すると、網膜症、腎症、神経症などの合併症を引き起こす可能性があります。 |
タンパク質 | 尿に含まれるタンパク質の量を測定します。主な測定方法としては、アルブミン迅速測定法や沈澱試験などがあります。 尿中にタンパク質が含まれている場合は、腎臓の病気などが疑われます。腎臓は、血液中の老廃物をろ過して尿を作る臓器です。腎臓の機能が低下すると、尿中にタンパク質が漏れ出てきます。 |
ケトン体 | 尿に含まれるケトン体の量を測定します。主な測定方法としては、アセトン試験やケトン簡易定量試験などがあります。 尿中にケトン体が含まれている場合は、糖尿病の悪化などが疑われます。糖尿病が悪化すると、体内のエネルギー源として脂肪が分解され、ケトン体が生成されます。 |
潜血 | 尿に含まれる赤血球の量を測定します。主な測定方法としては、ヘモグロビン試験や沈澱試験などがあります。 尿中に赤血球が含まれている場合は、尿路結石や膀胱炎、腎臓の病気などが疑われます。 |
白血球 | 尿に含まれる白血球の量を測定します。主な測定方法としては、沈澱試験や尿沈渣検査などがあります。 尿中に白血球が含まれている場合は、尿路感染症などが疑われます。尿路感染症は、尿路に細菌が感染して起こる病気です。 |
赤血球 | 尿に含まれる赤血球の量を測定します。主な測定方法としては、沈澱試験や尿沈渣検査などがあります。 尿中に赤血球が含まれている場合は、尿路結石や膀胱炎、腎臓の病気などが疑われます。 |
尿検査は、自宅で簡単にできる検査です。市販の尿検査キットを用いて、尿の色や濁り、臭いなどを観察したり、簡単な検査を行うことができます。定期的に尿検査を行うことで、体の健康状態をチェックすることができます。
検査11. 心電図検査
心電図検査は、心臓の電気活動を記録する検査です。心臓は、筋肉でできており、規則正しく収縮と弛緩を繰り返すことで血液を全身に送り出しています。心臓の筋肉は、微弱な電気信号によって収縮と弛緩を繰り返しています。心電図検査では、胸や手首、足首などに装着した電極から心電図を記録し、心臓の電気活動を分析します。
心電図検査は、狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈などの心疾患の診断や治療効果の判定などに用いられます。また、心臓の機能を評価するためにも用いられます。
心電図検査で得られる情報は以下の通りです。
心拍数 | 1分間に心臓が拍動する回数 |
心拍リズム | 心臓の拍動が規則正しいかどうか |
P波、QRS波T波などの心電図波形 | 心房、心室の電気活動 |
ST-T変化 | 虚血や心筋梗塞などの心疾患の兆候 |
健康診断の結果の見方
健康診断結果の確認方法
健康診断を受けた後、結果が返ってくるまでの期間は、医療機関によって異なりますが、一般的には1~2ヶ月程度です。結果が返ってきたら、以下の方法で確認することができます。
確認方法1 医療機関から直接受け取る
多くの場合、健康診断結果は、直接医療機関から受け取ることになります。受診時に結果を受け取る方法を選択している場合は、指定の日時に医療機関へ来院する必要があります**。また、郵送で結果を送ってもらう方法を選択している場合は、結果が到着するまで自宅で待つことになります。
確認方法2 オンラインで確認する
一部の医療機関では、オンラインで健康診断結果を確認できるサービスを提供しています**。このサービスを利用するには、医療機関から発行されたIDとパスワードが必要となります**。IDとパスワードは、受診時に渡される場合や、後日に郵送で送られてくる場合などがあります。
確認方法3 スマートフォンアプリで確認する
一部の医療機関では、スマートフォンアプリで健康診断結果を確認できるサービスを提供しています。このサービスを利用するには、医療機関から提供されたアプリをインストールし、ログインする必要があります。
健康診断結果を確認する際には、以下の点に注意する必要があります。
結果を受け取る方法は、医療機関によって異なるため、受診時に確認する必要があります。また、オンラインで結果を確認する場合は、IDとパスワードを漏洩しないように注意する必要があります。スマートフォンアプリで結果を確認する場合は、アプリを最新のバージョンにアップデートしておく必要があります。
健康診断結果は、ご自身の健康状態を知る上で重要な情報です。結果を確認したら、内容を理解し、必要に応じて医師に相談しましょう
健康診断結果の見方
健康診断結果は、項目ごとに判定区分が示されています。判定区分は、AからEまで5段階に分けられており、Aは異常なし、Eは要医療となります。
以下に、各判定区分の意味を詳しく説明します。
A:異常なし
Aは、検査値が正常範囲内であることを意味します。特に問題はありませんが、生活習慣に注意し、次回の健康診断で再確認することが重要です。
B:経過観察
Bは、検査値が正常範囲からやや外れている場合に判定されます。直ちに治療を受ける必要はありませんが、定期的に検査を受け、経過を観察する必要があります。
C:要精密検査
Cは、検査値が正常範囲から大きく外れている場合に判定されます。病気が疑われるため、精密検査を受ける必要があります。
D:要治療
Dは、検査値が異常であることが明らかであり、治療を受ける必要があることを意味します。直ちに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
E:要医療
Eは、直ちに医療が必要です。
判定区分以外にも、検査値の基準値や参考値も記載されています。基準値は、健康な人の95%がこの値以下である値です。参考値は、基準値と比較するための目安となる値です。
健康診断結果を見る際には、以下の点に注意する必要があります。
- 判定区分だけでなく、検査値の基準値や参考値も確認しましょう。
- 複数の検査結果を総合的に判断しましょう。
- 結果に不安がある場合は、医師に相談しましょう。
- 健康診断結果は、ご自身の健康状態を知る上で重要な情報です。結果を理解し、必要に応じて医師に相談しましょう。
健康診断結果に関する疑問点は、結果を受け取った医療機関に相談しましょう。
健康診断結果を長く保存しておきたい場合は、コピーを取っておくことをおすすめします。
健康になるために今日からできること
健康診断の結果は、ご自身の健康状態を知るための大切な情報です。基準値から外れた項目があれば、生活習慣を見直したり、医療機関を受診したりして、改善に取り組むことが重要です。
今日からできる具体的な取り組み
食生活を見直す
- 野菜、果物、魚、大豆製品などの栄養価の高い食品を積極的に摂取する。
- 肉類、加工食品、揚げ物などの脂質や糖質の多い食品を控える。
- 塩分の摂取量を減らす。
- 水分を十分に摂取する。
運動習慣を身につける
- 週に3~5日、30分以上の中程度の強度の運動を行う。
- ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動を取り入れる。
- 筋力トレーニングを取り入れる。
- 日常生活の中でこまめに体を動かす。
睡眠をしっかりとる
- 毎日7~8時間程度の睡眠時間を確保する。
- 寝る前のスマホやパソコンの使用を控える。
- 寝室の環境を整える。
ストレスを溜めない
- 適度に運動や趣味をする。
- 家族や友人と話をしたり、音楽を聴いたりしてリラックスする。
- 必要であれば、専門家に相談する。
禁煙・禁酒
- 喫煙や飲酒は、生活習慣病のリスクを高めるため、控えることが重要です。
- 禁煙・禁酒が難しい場合は、医療機関を受診して相談しましょう。
定期的な健康診断を受ける
- 1年に1回程度、健康診断を受けて、自分の健康状態を確認しましょう。
まとめ
健康診断の結果は、ご自身の健康状態を知るための貴重な情報です。今回ご紹介した内容を参考に、生活習慣を見直し、健康的な生活を心がけましょう。
健康は、自分自身で守るものです。 日々の積み重ねが大切です。
ご自身の健康のために、今日からできることから始めていきましょう。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
注意事項
この記事は、健康診断結果の理解を助けるための参考情報であり、医療診断や治療の代替となるものではありません。健康診断結果は、個人の健康状態や検査機関によって異なるため、必ず医師に相談して適切な解釈を得てください。健康診断は、病気の早期発見・早期治療に役立つ重要なものです。定期的に受診し、ご自身の健康状態を把握しましょう。
免責事項
この記事の内容は、著者の個人的な見解であり、医学的な根拠に基づいたものではありません。この記事の内容に基づいて行動した結果、生じた損害や損失について、著者は一切責任を負いません。健康に関する情報は、常に最新の情報を確認することをおすすめします。