【食品添加物】安全?危険?気になる疑問を解説!賢く付き合うためのポイントとは

ねぇ、コンビニのお弁当って手軽で美味しいけど、食品添加物とか大丈夫なのかな?

確かに気になるよね。でも、食品添加物って実は色々な種類があって、全部が危険ってわけじゃないんだ。詳しく説明するね。

「〇〇酸」って一体何?

いつものランチ、おやつ、飲み物...。何気なく口にしている食品の裏側には、見慣れないカタカナ表記の成分がズラリ。これって、一体何?
実は、これら「〇〇酸」「〇〇料」といった謎めいた言葉は、すべて「食品添加物」。食品の保存料や着色料、甘味料など、私たちの食生活に欠かせない存在です。
でも、ちょっと待って!食品添加物って、本当に安全なの?体に悪い影響はないの?
そんなモヤモヤを解消すべく、この記事では食品添加物の正体、安全性、そして賢い付き合い方まで徹底解説!あなたの疑問にすべてお答えします。

知らずに口にしている食品添加物、その正体とは?

コンビニやスーパーで何気なく手に取る食品。その裏側にある「原材料名」には、「〇〇酸」や「〇〇料」といった見慣れない言葉が並んでいます。これらは、食品の製造過程や品質保持のために使用される「食品添加物」です。

食品添加物は私たちの食生活に深く関わっていますが、「体に悪い?」「安全なの?」といった疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、厚生労働省の情報を基に、食品添加物の安全性や役割、種類、表示方法、そして賢い付き合い方まで詳しく解説します。

食品添加物の役割と安全性

食品添加物の定義と役割

食品添加物は、食品の製造過程で、または食品に直接添加して、保存性を高めたり、味や色、香りを良くしたり、栄養価を補ったりするために使用されるものです。
例えば、保存料は食品の腐敗や変質を防ぎ、賞味期限を延ばす役割があります。着色料は食品の色を鮮やかにしたり、食欲をそそるように見せる役割があります。甘味料は砂糖の代わりに甘味を付け、カロリーを抑えたい場合に利用されることがあります。

食品添加物の安全性

食品添加物の安全性は、国が厳しく管理しています。

厚生労働省は、食品安全委員会による評価に基づき、安全性が確認されたものだけを、食品添加物として使用することを許可しています。
食品安全委員会は、専門家によって構成される独立した機関であり、食品添加物の安全性について、動物実験やヒトでの試験など、様々な科学的データに基づいて評価を行っています。
食品添加物の安全性評価は、国際的な基準に基づいて行われています。日本で使用が認められている食品添加物は、世界的に見ても安全性が認められているものがほとんどです。

食品添加物の種類と役割

食品添加物の分類

日本で使用が認められている食品添加物は、以下の3つに分類されます。

指定添加物

厚生労働大臣が個別に指定したもので、安全性について食品安全委員会の評価を受けています。

  • ソルビン酸: 保存料として幅広く使用され、カビや細菌の増殖を抑える効果があります。ハム、ソーセージ、チーズ、漬物などに使用されます。
  • キシリトール: 天然由来の甘味料で、砂糖と比べてカロリーが低く、虫歯の原因になりにくいという特徴があります。ガム、キャンディ、チョコレートなどに使用されます。

既存添加物

長年の食経験があり、平成7年の食品衛生法改正前に広く使用されていた食品添加物です。天然香料もこのカテゴリーに含まれます。

  • クチナシ色素: クチナシの実から抽出される黄色の着色料で、たくあん、栗きんとん、カステラなどに使用されます。
  • タンニン: 茶葉や渋柿などに含まれるポリフェノールの一種で、渋味や苦味があります。清涼飲料水やワインの製造過程で使用されます。
  • バニラ香料: バニラ豆から抽出される香料で、アイスクリーム、ケーキ、チョコレートなどに使用されます。
  • 天然香料: 動植物から得られる天然の物質で、食品に香りを付ける目的で使用されるもの。(例:バニラ香料、カニ香料)

一般飲食物添加物

一般に飲食に供されているもので、添加物として使用されるもの。

  • イチゴジュース: イチゴを原料としたジュースで、清涼飲料水や菓子の風味付けに使用されます。
  • 寒天: 海藻から抽出される多糖類で、ゼリーや和菓子の製造に使用されます。

用途別の分類

食品添加物は、その用途によって、保存料、甘味料、着色料、酸化防止剤、増粘剤など、様々な種類があります。それぞれの添加物は、特定の目的のために使用され、食品の品質や安全性を保つ上で重要な役割を果たしています。

食品添加物の表示について

食品添加物表示のルール

食品添加物は、原則として、食品に使用した場合には、すべて表示しなければなりません。表示は、物質名で記載され、保存料、甘味料などの用途で使用した場合は、その用途名も併記しなければなりません。
ただし、食品に残存しないものや、加工助剤として使用されるものなど、一部の食品添加物については、表示が免除されています。

表示の注意点

一括名表示: 複数の食品添加物を組み合わせたものは、「〇〇ミックス」や「調味料(アミノ酸等)」のように一括表示されることがあります。

キャリーオーバー: 原材料に含まれる食品添加物が、最終製品にも微量に含まれる場合、その食品添加物の表示は省略されることがあります。

加工助剤: 食品の製造過程で一時的に使用され、最終製品にはほとんど残らないもの(例:豆腐製造時の消泡剤)

キャリーオーバーと加工助剤の具体例

キャリーオーバー

食品の原材料に含まれる食品添加物が、最終製品にも微量に含まれる場合、その食品添加物の表示が省略されること。

  • 具体例:
    • パンに含まれるイーストフード(原材料の小麦粉に由来)
    • ソーセージに含まれるリン酸塩(原材料の食肉に由来)
    • ケーキに含まれる乳化剤(原材料のマーガリンに由来)

加工助剤

食品の加工の際に使用されるが、最終製品には残らないか、効果を発揮しない程度の微量しか残らない食品添加物。

  • 具体例:
    • 豆腐製造に使用する消泡剤(製造過程で泡立ちを抑える)
    • 食用油製造に使用する活性炭(脱色や脱臭を目的とする)
    • 果汁飲料製造に使用する酵素(果汁の清澄化や粘度調整を目的とする)

食品添加物と賢く付き合うには

食品添加物を過剰に恐れる必要はない

食品添加物は、国が安全性を評価し、許可されたものだけが使用されています。そのため、過剰に恐れる必要はありません。しかし、食品添加物の摂取量が多すぎると、健康に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。バランスの取れた食生活を心がけ、食品添加物の摂取量をできるだけ抑えることが大切です。

 食品添加物の摂取量を減らす工夫

  • 加工食品を控え、新鮮な食材を積極的に食べる: 加工食品は、一般的に食品添加物の使用量が多い傾向にあります。
  • 原材料名表示をよく確認する: 食品添加物の種類や量を確認し、できるだけ少ないものを選ぶようにしましょう。
  • 無添加や減塩などの表示を参考に: 無添加や減塩などの表示がある食品を選ぶことも一つの方法です。

食品添加物の摂取状況について

私たちの食生活における食品添加物の摂取量を調べるために、「マーケットバスケット方式」という調査方法が用いられています。

  1. 食品の購入: スーパーなどで販売されている様々な食品を購入します。
  2. 食品添加物量の分析: 購入した食品に含まれる食品添加物量を分析します。
  3. 摂取量の算出: 食品摂取量調査の結果(各食品の平均的な摂取量)と、分析で得られた食品添加物量を掛け合わせ、食品添加物の摂取量を算出します。

この調査方法は、実際に私たちが口にする食品を対象にしているため、より現実的な食品添加物の摂取量を把握することができます。厚生労働省などによって定期的に実施されており、食品添加物の安全性を評価する上で重要な役割を果たしています。

参考:厚生労働省:マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査

国立医薬品食品衛生研究所が中心となり、幼児から高齢者までの5つの年齢層を対象に、食品添加物の1日摂取量を調査した結果をまとめたものです。

参考:ADI(一日摂取許容量)に対する年齢別摂取量の比較

主な調査結果は以下の通りです。

摂取量の変化: 多くの食品添加物で、年齢層が上がるにつれて摂取量も増加する傾向が見られました。しかし、サッカリンナトリウムは成人層で若年層の約10倍、キシリトールは逆に1/10という特徴的な変化が見られました。


安全性評価: 全体的には、食品添加物の安全性に問題となるような結果は認められませんでした。
ADI(一日摂取許容量)との比較: ほとんどの食品添加物で、摂取量はADIを下回っていました。しかし、硝酸塩のみADIを上回る結果となりました。ただし、これは主に野菜に含まれる天然の硝酸塩が原因であり、食品添加物由来のものはごくわずかであるため、現時点で問題があるとは考えられていません。
この調査結果から、日本の食品添加物の摂取量は、おおむね安全基準を満たしており、健康への悪影響は少ないと考えられます。ただし、一部の添加物については、摂取量が多い傾向が見られるため、注意が必要です。

食品添加物の摂取量が多いもの

厚生労働省の資料によると、一部の食品添加物で摂取量が多い傾向が見られるものとして、以下のものが挙げられています。

1. サッカリンナトリウム

人工甘味料として知られるサッカリンナトリウムは、砂糖の300~500倍の甘味を持ちながら、カロリーがほぼゼロという特徴があります。そのため、ダイエット食品や糖尿病患者向けの食品によく使用されます。

安全性: サッカリンナトリウムは、動物実験で膀胱がんを引き起こす可能性が指摘されたことがありましたが、その後の研究で人間への発がん性は確認されていません。現在では、国際機関や各国政府によって安全性が認められています。

使用例: 砂糖の代替品として、ダイエット食品、糖尿病患者向けの食品、清涼飲料水、ガム、漬け物など。

2. 硝酸塩・亜硝酸塩

硝酸塩と亜硝酸塩は、主に食肉製品の発色剤や保存料として使用されます。ハムやソーセージのピンク色は、これらの添加物によって保たれています。また、ボツリヌス菌の増殖を抑える効果もあるため、食中毒予防にも役立っています。

安全性: 硝酸塩や亜硝酸塩は、体内でアミン類と反応して発がん性物質のニトロソアミンを生成する可能性が指摘されています。しかし、ビタミンCなどを同時に摂取することで、ニトロソアミンの生成を抑えることができるとされています。

使用例

  • ハム、ソーセージ、ベーコン、明太子、いくら

3. ソルビン酸・安息香酸・プロピオン酸

これらの添加物は、保存料として幅広く使用されています。細菌やカビの増殖を抑えることで、食品の腐敗や変質を防ぎ、賞味期限を延ばす効果があります。

安全性: ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸は、国際機関や各国政府によって安全性が認められています。ただし、一部の人にはアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

使用例

  • ソルビン酸: 清涼飲料水、菓子、パン、チーズ、魚介練り製品
  • 安息香酸: 清涼飲料水、しょうゆ、マーガリン、キャビア
  • プロピオン酸: パン、チーズ、菓子

4. 二酸化硫黄・亜硫酸塩

二酸化硫黄と亜硫酸塩は、漂白剤や酸化防止剤として使用されます。食品の変色を防いだり、酵素による褐変を抑制したりする効果があります。

安全性: 二酸化硫黄と亜硫酸塩は、一部の人にはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。特に、喘息患者は注意が必要です。

使用例

  • 二酸化硫黄: ワイン、ドライフルーツ、かんぴょう、こんにゃく
  • 亜硫酸塩: ワイン、ドライフルーツ、エビ、カニ

ただし、これらの食品添加物の摂取量が多いからといって、直ちに健康に悪影響があるわけではありません。摂取量が多い傾向が見られるものの、それでも一日摂取許容量(ADI)を超えることはなく、安全性には問題がないとされています。

 まとめ

食品添加物は正しく知って賢く付き合おう

食品添加物は、適切に使用されれば、私たちの食生活を豊かにし、安全でおいしい食品を提供するために役立ちます。
しかし、過剰摂取には注意が必要です。バランスの取れた食生活を心がけ、食品添加物の摂取量をできるだけ抑えるようにしましょう。